今日もはなまる。

好きなものと日々の記録。

「プラスチックの恋人」を読んで思ったこと、感想とか。(2018/1/27加筆修正)

私は、小さい頃から本を読むのが好きな、所謂読書好きです。

書いた人、訳した人によって変わる物語はとても面白くて…飽きることはありません。

書店に行くのも様々な出会いがあって、とても楽しいです。1冊1冊、それぞれの本に個性があって、見ているだけでもいいと言う気持ちになります。一緒によく行動する同居人曰く、「本を選んでいる時と読んでいる時は、無茶苦茶顔がイキイキしている」らしいです。自覚ないけど…

けど、こんなに楽しいことは私にとっては他にないので、当り前かな…と思います。

 

私は読書に限らず、アニメやマンガ、ゲームを見ている、プレイしているといった時は、主人公やキャラクターに感情移入はしますが、そのキャラになったつもりはありません。例えるなら神様みたいな存在になって、その物語をその場で俯瞰している感じです。言うなれば傍観者という立ち位置ですね。

ですが、最近は体調と精神状態が芳しくなく、読む量が減ってしまっています。逆に調子がいい時は熱中して、のめり込んで読んでしまいます。

 

そんな中、最近読んだ本で私の心に深い爪痕を残したのは、山本弘先生の「プラスチックの恋人」という作品です。

プラスチックの恋人 (早川書房)
 

コミックテイストな少年が描かれた表紙イラストも、題名もインパクトがとてつもない存在感だと思います。書店の棚でも、表紙デザインはシンプルながら一際異彩を放っていました。

ですがもっと異彩を、存在感を放つのは、帯の存在だと思います。Amazonの書影だと帯がないので、手持ちの写真を載せます。

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私が好きになったのは

セックスのための

未成年型アンドロイド

- SF最大の禁忌を描く著者渾身の問題作 -

初めてこの帯を見た時は直球すぎて 「いや…あの…うん…」と、思わず言葉に詰まってしまいました。

帯で言葉に詰まってしまったのは、私の人生で初めてです。

 

今回はその著者渾身の問題作である、「プラスチックの恋人」を読んだ感想を書いていこうと思います。

 

 

※あくまで私一個人の感想です。

著者・出版社・イラストレーター・デザイナー・関係各所とは一切関係ありません。

※ネタバレあります。未読の方は自己責任でお願いします。

 

 

作品のテーマ

パワーワードが多い…!!」

というのが全体的な感想を簡単に表現したものです。

いや…あの…題名も帯もパワーワードですが、中身の威力が半端ない。ガツンとした衝撃を受けました。読んだ後はしばらく、ポカーンとしてました。

私が読み取った作品のテーマとしては、

  • 人工知能を持つ限りなく人に近いアンドロイドは、人なのか
  • 未成年の姿形をしたアンドロイドとセックスすることは許されるのか
  • 人は人ではないもの(この作品ではアンドロイド)と愛し合えるのか

という、この3つだと思います。

ではこの作品のどこが「禁忌」「問題作」なのかということですが、私一個人の考え、意見ですがこういったことじゃないかな~と思います。

  • 日本では敬遠される、隠すべきとされているセックスについて取り上げている。
  • 人工知能を持つ限りなく人に近いアンドロイドは人なのか?という問いかけ。
  • アンドロイドとはいえ、未成年の形をしたアンドロイドととセックスすることは許されるのか。
  • 人は人でないものと愛し合えるのか、という問いかけ。

つまり、作品全体で扱っているテーマが、問題なんだなと思います。

 

感想

テーマに沿って書いていきます。感想というより、私がこの作品を通して感じたことを書いていく感じになってしまいますが…

 

まず1つ目。

「日本では敬遠される、隠すべきとされているセックスについて取り上げている」ということについて。

これはもう、大多数の日本人の性質的に仕方ないと思います。個人的に日本人は「隠す」民族だと思っているので。

 

2つ目。

人工知能を持つ限りなく人に近いアンドロイドは人なのか?という問いかけ」について。

私は人工知能の度合いと、そのアンドロイドによると思います。

作中で受付をしているアンドロイドは人とは言えませんが、個人的にミーフくんは人間に近いなと思います。もし、ミーフくんが「人間として扱ってほしい」と思うなら、人間なんだと思います。

哲学的な問題なので、永遠に答えが出ないかもしれません。難しすぎる。

 

ですが、「人なのかどうか」という考え方は、日本人独特なのかもしれないな~と個人的に思っています。

昔から日本人は妄想や空想が好きだと私は勝手に思っています。妖怪や付喪神などもある意味そういったものの産物だな~と。(実際に居たらそれもそれで面白いので、歓迎したいですけど。)最近流行り?の擬人化もですが、そういったものは人々の生活に身近に存在して、寄り添ってきたと思うんです。

これは、想像力があるからできることで、日本人の特徴だと思います。何でもかんでも付喪神だったり、擬人化させてしまう日本人だからこそ、人なのかどうかということも考えてしまう。ある意味日本人らしいと思います。

アニメやマンガ、ゲームが人気があるのもそういった「妄想・空想が好き」「人間ではないものを人間に擬人化して、人間として扱っているからであろう」と思います。

 

ちなみに昔、Twitterで「SF系とかのロボットやAI(人工知能を搭載したものとして書いています。)を題材にした作品は、海外だとAIが反乱を起こしてという作品が多いけど、日本だと人間とAIが恋に落ちるよね」というツイートを見かけました。

※とてもうろ覚えです。ツイートを知っている方は教えて頂けると嬉しいです。

当時はその言葉があまり理解できませんでした。なぜなら、ナルニア国物語ハリーポッターなど、有名な児童文学以外の海外文学作品ををそんなに読んでいなかったからです。今思うと「なぜ読んでいないんだ…!!!!」と思いますが、人の名前(特に横文字)を覚えられないという自分の性質上、性格上仕方のないことかとも思います…

少しずつ有名作品(1984年やアンドロイドは電気羊の夢を見るか等)から読み始めて、確かにそうだなと思いました。日本人だからこそ、ロボットやAIと人間が恋に落ちる話が多いのかもしれないな、と思います。

 

3つ目。

「アンドロイドとはいえ、未成年の形をしたアンドロイドとセックスすることは許されるのか」について。

2つ目と密接に関係しているので、何とも言えません。

ですが1つ言えること。

実際の未成年は「社会的にも身体的にも弱者だから保護されている」ということと、「日本では未成年と性行為をするのは、児童福祉法地方公共団体の定める青少年保護育成条例により罰せられる可能性がある」(真剣な交際は罰せられることはないそうです。)ということ。

これを理解していな人が最近多いな…と思います。職場に未成年に手を出している同僚もいますが。

だからこそ、この作品でもテーマにしているのだと思います。

 

4つ目。

「人は人でないものと愛し合えるのか」について。

私の持論ですが、愛したものは仕方ない。以上。

というか、人外×人や所謂、異端婚姻の作品が沢山あるのが日本ですよ?2つ目で言った通り、ロボットやAIとすぐに恋に落ちてしまう作品が多い日本ですよ?

私もアニメオタクで所謂「推し」を愛している身なので、「人は人でないものと愛し合えるのか」ということについては、愛し合えると思います。次元の壁は邪魔ですけどね。

 

「セックスのための未成年型アンドロイド」なので当然、本文中にはセックスシーンがあります。久しぶりにNLのセックスシーンがある作品を読んだのですが、下手な官能小説よりエッチでした。(語彙力がない)例えるなら、どエロい18 禁同人誌をかなり上品にした感じです。

そのシーンを読み終わった後は、「あ~~~~~~えっちだ~~~~~~~~………」と頭を抱えました。

公式が同人誌だった…(混乱)

 

 

私はこの作品から伊藤計劃先生と円城塔先生の共著、「屍者の帝国」と似た雰囲気を感じました。屍者の帝国は人間の死体で、プラスチックの恋人はアンドロイドですが、どちらも誰かを「想っている」ということが共通しているのかな、と思います。

 

 

総括

題材(テーマ)のことや官能シーンがあるので、苦手な人もいると思いますし、読んで嫌悪感を抱く人もいると思います。ですが私は、この小説のような未来が、訪れそうで怖いなと思う反面、とても面白いなと思いました。ある意味日本人らしい問いかけだったと思います。

もう一度読み直せばまた、新しい発見があるかもしれません。その時はここに追記しようと思います。

  これだから読書は、面白くて、苦しくて、楽しくて、やめられないんです。

 

では、お付き合いありがとうございました。

 

 

美里さんとミーフくんに、幸があることを祈って。